VirtualBox入門

はじめに

 このページは、「Linux触りたいけど、Linuxとかよくわからないし、マシン用意するの面倒だなあ」という方のために書きました。

 マシンの融通が利かない・面倒な方のために、VirtualBoxを用いて「マシンもどき」をマシンの中に作り、Linuxのディストリビューションの一つである「openSUSE」をインストールする方法をご紹介します。

 VirtualBoxは、WindowsなどのOS上に「マシンもどき(仮想マシン)」を作るソフトです。JavaでおなじみのSunが開発を行っています(もともとはInnoTekという会社が作ってましたが、Sunが買収しました)。

 VirtualBoxを使うメリットとして、気軽に・安全にLinuxを試すことが出来る点です。Windows上にファイルの形をした「(Linux)マシンもどき」を作るので、例えば「デュアルブートにしたけど、何かの拍子に壊れてWindowsが壊れてしまった」などというトラブルは発生しません。また、Linuxに限らず、WindowsもVirtualBox上で動かすことが可能です。

 このページを書いている時点での最新バージョンは、下記通りです。URLをたどって、それぞれ入手しておいてください。

 結構大雑把な説明になるかと思いますが、あらかじめご了承くださいませませ。

ダウンロード

 適宜入手してくださいと言い放ったものの、とりあえずスクリーンショットで大体のダウンロード方法を紹介しておきます。

VirtualBoxのインストール

  1. VirtualBox-2.0.4-38406-Win_x86.msiを実行します。
  2. 「Next」をクリックします。
    virtualbox1.jpg
  3. ライセンスに同意して、「Next」をクリックします。
    virtualbox2.jpg
  4. なにやら色々選べますが、とりあえず全部必要なのでそのまま「Next」をクリックします。
    virtualbox4.jpg
  5. インストールの設定は終了です。「Install」をクリックします。
    virtualbox5.jpg
    • インストール中、こんな画面が2回表示されますが、いずれも「続行」をクリックします。
      virtualbox6.jpg
  6. インストールが完了したら「Finish」をクリックします。
    virtualbox7.jpg

以上がインストールの流れになります。簡単でしょ?(ボブ的な意味で)

仮想マシンの作成

 さて、VirtualBoxがインストールできたので、さっさと仮想マシンを作ってopenSUSEをインストールしてみましょう。スタートメニューの中にVirtualBoxのリンクが作成されていると思うので、そこからVirtualoxを起動します。

virtualbox8.jpg

 起動したら、ツールバーの「新規」をクリックします。

  1. 仮想マシン名と仮想マシンの種類を選びます。名前は適当に付けました。OSタイプはちょうど「openSUSE」があったので、これを選択して、次に進みます。
    addvm01.jpg
  2. 仮想マシンに割り当てるメモリの容量を設定します。デフォルトでは256MBでしたが、それては貧弱なので512MB以上は割り当ててあげてください。
    addvm02.jpg
    • もちろん、仮想マシンを作ろうとしているあなたのマシンにそれなりに多めにメモリが搭載されている必要があります。2GBとか。
  3. 仮想ハードディスクを選択します。仮想ハードディスクとは、ファイルをハードディスクに見立てたものです。現状では何もないので、「新規」をクリックして新しい仮想ハードディスクを作成します。
    addvm03.jpg
    1. 新しいウィザードがはじまったようです。「次へ」をクリックします。
      addvm04.jpg
    2. 仮想ハードディスクのタイプを選びます。可変とか固定というのがありますが、20GBの仮想ハードディスクを作るときを例にすると、固定では20GBのファイルをきっちり作るのに対して、可変では0バイトぐらいからはじまってOSが使用するごとに少しずつ容量が増えていくというイメージです。ケータイのパケット定額制みたいなのを想像してもらうと良いかもしれません。ここでは「可変」のほうを選びます。
      addvm05.jpg
    3. ディスクの名前とサイズを設定します。名前は既に仮想マシン名が入力されていたので、そのままにしておきました。容量も、8GBのままで良いです。
      addvm06.jpg
    4. これでハードディスクの作成は完了です。「完了」をクリックして、本題の仮想マシンの設定に戻りましょう。
      addvm07.jpg
    • 元のウィザードに戻ると、仮想ハードディスクが選択されています。「次へ」をクリックします。
      addvm08.jpg
  4. あれ、もう終了だったようです。「完了」をクリックします。
    addvm09.jpg
  5. メインウィンドウに戻ると、こんな感じで仮想マシンが表示されています。インストールに使用するメディアの指定がまだなので、ツールバーの「設定」をクリックします。
    addvm10.jpg
  6. 設定画面が表示されたら、左側のリストから「CD/DVD-ROM」を選択します。つづけて、右側の「CD/DVDドライブのマウント」にチェックを入れて、「ISOイメージファイル」を指定します。が、リストに何も出てこないので、リストの右側にある小さいボタンをクリックします。
    addvm11.jpg
    1. 仮想ディスクマネージャなる別のウィンドウが出てきました。ここにopenSUSEのISOファイルを追加します。「追加ボタン」をクリックして、ファイル選択ダイアログでISOファイルを開いてください。
      addvm12.jpg
    2. ISOファイルを開けたら、リストに「openSUSE-11.0-DVD-i386.iso」というのが追加されたと思います。「選択」ボタンをクリックします。
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    3. 元の設定画面に戻って、ISOイメージファイルのリストからopenSUSEのISOファイルを指定します(もしかすると、既に選択されているかも知れません(うろおぼえ))。
      addvm14.jpg
  7. CD/DVD-ROMの設定が終わったら、再び左側の一覧から、「オーディオ」を選択します。なんと、オーディオが無効なようです。せっかくなので有効にしておきます。有効にしたら、「OK」ボタンをクリックして設定を完了してください。
    addvm15.jpg
  8. こんな感じになりました。以上でインストールのための設定は完了したので、いよいよ仮想マシンを起動します。ツールバーの「起動」をクリックします。
    addvm16.jpg
  9. 仮想マシンの画面が表示されると同時に、こんなメッセージも表示されます。仮想マシンの画面を一度クリックすると、マウスカーソルが仮想マシンのマウスカーソルに切り替わります。切り替わると、仮想マシンのウィンドウからマウスカーソルが出てこなくなってしまいますが、ここから抜け出すための方法は、キーボード右側のCtrlキーです、ということをお知らせしてくれています。というわけで、「OK」をクリックします。
    addvm17.jpg
  10. ディスプレイ設定で32bitを設定している人は、こんなメッセージも表示されますが、これは特に気にする必要はありません。「OK」をクリックします。
    suse01.jpg

openSUSE11.0のインストール

  1. いよいよインストール画面です。「Installation」を選択するとインストールが始まりますが、11.0では、そのままインストールしようとするとインストールに失敗するトラブルが存在するのであらかじめドライバを更新します。F6キーを押すと、画面の下に小さなメニューが表示されるので、「YES」を選択します。それから「Installation」を選択してください。
    suse02.jpg
  2. しばらくすると、OSのインストールウィザードが始まります。言語を日本語に設定して、ライセンスに同意して、次に進みます。
    suse04.jpg
  3. インストールモードを指定します。新規インストールを指定して次に進みます。
    suse05.jpg
  4. 時計とタイムゾーンを指定します。右下の時刻と日付にある現在の時間を見ると、実際の時間よりもずれていると思いますが、これはUTCが設定されているためなので「ハードウェアの時刻はUTCに設定」のチェックをはずします。時刻が実際の時刻になったら、次に進みます。
    suse06.jpg
  5. デスクトップの選択を行います。Linuxでは、Windowsで言うExplorerが入れ替え可能なアプリケーション化されていて、いくつかのデスクトップパッケージが存在しています。openSUSEのホームページに行くとそれぞれのスクリーンショットが見られると思うので、その辺を参考にして選ぶのも良いかもしれません。ここではGNOMEを指定しました。
    suse07.jpg
  6. ハードディスクのパーティション設定を行います。といっても、インストーラが勝手に設定してくれる設定のままで良いので、そのまま次に進みます。
    suse08.jpg
  7. ユーザを作成します。ユーザのフルネームとユーザ名とパスワードを入力します。デフォルトでは「自動ログイン」にチェックが付いていますが、パスワードを入力しないとログインできないようにするにはこのチェックをはずします。次に進みます。
    suse09.jpg
    1. パスワードが簡単すぎるとこんなことを言われます。余計なお世話ですね。「はい」をクリックします。
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    2. パスワードに小文字だけを使用していると、こんなことを言われます。これでいいんですって。「はい」をクリックします。
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  8. インストール設定の確認画面です。今まで設定した項目の変更を行うことが出来ます。また、インストールするソフトウェアはここで選ぶことが出来ます。今回はデフォルトのままインストールしますが、変更したい場合は緑色の「ソフトウェア」の文字をクリックすると、インストールするパッケージを選べます。「インストール」ボタンをクリックします。
    suse12.jpg
  9. インストールの確認が表示されます。「インストールする」をクリックして、インストールを開始します。
    suse13.jpg
  10. こんな感じの画面が出てきて、インストールが進行します。途中で勝手に再起動したりしますが、後はデスクトップ画面が表示されるまで放置していて良いです。
    suse14.jpg
  11. インストールが完了すると、最初のお知らせ画面みたいなものが表示されます。
    suse15.jpg
  12. 閉じると、デスクトップが表示されて、インストール完了です。
    suse16.jpg
    • 多分、アップデートに関する設定もあると思いますが、指示に従って進めれば良いようになっています。

Guest Additionsのインストール

 仮想マシンはそのままでも動いていますが、Guest Additionsというソフト(ドライバ?)をインストールすることで、仮想マシンのパフォーマンスや使い勝手が向上します。

  1. まず、インストールに使っていたopenSUSEのCDをアンマウントします。デスクトップのCDアイコンを右クリックして「取り出す」を選択します。
    gadd01.jpg
  2. 仮想マシンからマウスカーソルを放して、仮想マシン画面のメニューバーの「デバイス」から「Guest Additionsのインストール」を選択します。
    gadd02.jpg
  3. Guest AdditionsはCDとしてマウントされます。CDのファイル一覧が表示されたら、一覧の空白を右クリックして、「端末の中に開く」を選択します。
    gadd03.jpg
  4. 端末とは、Windowsで言うコマンドプロンプトです。端末が表示されたら、「sudo ./VBoxLinuxAdditions-x86.run」と入力してEnterキーを押します。……色々メッセージが出て終了しますが、最後に「try again」と出ているので、失敗したようです。これは、Guest Additionsをソースコードから作ろうとしているためで、ソースコードをコンパイラ(実行ファイルを作るツール)がないためにインストールに失敗しています。
    gadd04.jpg
  5. というわけで、コンパイラをインストールしてみます。先に、端末ウィンドウとCDのウィンドウを閉じて、Guest AdditionsのCDを取り出しておいてください。そして、仮想マシン画面のメニューバーの「デバイス」から「CD/DVD-ROMのマウント」→「CD/DVD-ROMイメージ」を選択して、openSUSEのインストールメディアを再びマウントします。
  6. Windowsで言うスタートメニューボタンの位置にある「コンピュータ」をクリックして、右上にある「YaST」を選択します。
    gadd05.jpg
  7. パスワード入力を求められるので、パスワードを入力してください。
    gadd06.jpg
  8. YaSTが起動したら、「ソフトウェア管理」を選択します。
    gadd07.jpg
  9. ソフトウェア管理ツールが表示されたら、左下の「Groups」を「パターン」に変更します。
    gadd07-2.jpg
  10. 左側のリストから「C/C++開発」を選択して、「全てをインストール」をクリックします。同じく、左側のリストから「Linuxカーネル開発」を選択して、「全てをインストール」をクリックします。
    gadd08.jpg
    1. Linuxカーネル開発の部分では、「kernel-debug」というパッケージを個別に指定する必要があります。真ん中のリストから「kernel-debug」を選択して、インストールをクリックします。
      gadd10.jpg
  11. インストールするパッケージを指定したら、ウィンドウ右下の「適用」をクリックします。
    gadd09.jpg
  12. しばらくすると、「他のパッケージもインストールしますか」のようなメッセージが表示されるので、「いいえ」をクリックします。
  13. 面倒ですが、手順1から順に作業をやり直します。今度は失敗せずにインストールが完了すると思います。
    gadd11.jpg
  14. インストールが出来たら、openSUSEを再起動します。スタートメニューの「停止」から再起動を行うことが出来ます。
    • 再起動が終わると、今まではマウスカーソルが切り替わるとウィンドウから出られなくなったのが、ウィンドウから出られるようになりします。また、ウィンドウのサイズを変えると、それにあわせて仮想マシンの解像度も変更されるようになります。

まとめ

 スクリーンショットのせいでとてもページが長くなってしまいましたが、手順としてはVirtualBoxもopenSUSEもとても少なかったと思います。特にopenSUSEは、インストール設定がある程度自動化されたおかげで、旧バージョンの10に比べてインストール手順が大幅に減りました。

 あと、Guest Additionsのインストール手順がぐだぐだですが、こういうぐだぐだはLinuxにはある程度つき物です。しかし、こういう失敗もまた、貴重な経験なのです。

こめんと

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Last-modified: 2008-11-22 (土) 05:19:57